「けっこう前なんだけどさ、イルミの家行った時にね、」



がパラパラと雑誌を捲りながら、俺に話しかけてくる。
できれば顔もこっちに向けて欲しいのになぁ。



「きたの?」


「うん、でもその時イルミ居なくて、ゴトーさん達のとこまでしか行ってないんだけどね」


「それで?」


「久しぶりにキルアくん見た。」


「ああ。何か里帰りしてたみたい」


「へぇー。でさ、三人くらい友達もいてさ。挨拶しかしなかったけど、みんないい人そうだった」


「うん、良い人なんじゃない?」



あ、でもうちにとっては悪いかな?


声にださずに考えていると、がぽつりと呟いた。




「なんか、キルアくんまともに育ってよかったね」


「まとも?」


「うん、ミルキくんとかさー現代の社会問題そのままだし、カルアちゃんは性同一性障害っていうの?」



はこういうこと言う時がたまにあるなぁ。
ヒソカも言ってたけど、ちょっとバカだよね。




「まぁうちの家は特殊だから仕方ないよ」



もう面倒だったので勘違いを訂正せずにそう言うと、は「え?」と俺の方を振り返った。



「イルミだって友達いるじゃん」


「?」




・・・誰だ?




俺の微妙な気持ちを読み取ったのかどうかはよくわからないがはえーっと、と何かを思い出そうとしている。




「ほら、この前の大道芸人みたいな人とか、その団長さんとか」







は幻影旅団をサーカス団か何かと思ってるんだろうか。
そうか、ヒソカがピエロでクロロが団長か。それちょっと面白いかな。
今度提案してみよう。



「あと、何だっけあの、ギタラクル・・・??」



、それ俺だから。名前も間違ってるし。(頭痛い)














…オマケ…


「は?顔ぜんぜん違うじゃん。」
「でも俺だよ」
「いくらなんでも騙されないよ、それは!」
「そんなこと言われてもなぁ」
「じゃぁ、証拠見せてよ。ふふん」
「(辛いから嫌なんだけどなぁ)」
「ほら、やっぱりできないじゃん」
「(まぁ、これから一緒にいるだろうし見せといた方が良いか)」



「ぎゃぁぁぁぁ!何それ、イルミ!?」


ぼこぼこと音をたてる俺の顔を見て、は自分の顔が変形してるわけでもないのに痛い痛いと声をあげている。こんな調子でこれから大丈夫かなー。
まぁいいか、愛があれば。