喧々囂々牛もうもう 「なんだ。この点数は?」 あたしのテストの点数が悪すぎて、追試になったと聞きつけた跡部が×ばっかりついた答案用紙を前に「初めて見たわ」といわんばかりに顔をしかめている。 あたしは日々のマネージャー業はきちんとこなしているのに、何で成績のことまで。とうんざりする。 「お前聞いてるのか?」 「あっ、うん!聞いてる聞いてる。」 「返事の仕方まで、頭悪いな。」 「跡部だって頭の悪い奴ばっか選んで付きあっ「もういい黙れ」 跡部が強引にあたしの口を制した。 選ぶ女の基準は顔の良さと頭の悪さ(かしこい女はかわいげがないらしい)のくせに。でもそれならそろそろあたしにもお呼びがかかっていいのではなかろうか。 ぐずぐずそう思って跡部を見てたら「こっちを見るな」とウザそうに言われた。 プライドの高い跡部は、自分が取り仕切る部活内で成績の悪い奴がでるのが許せないらしい。 補習のために、誰かに勉強を見て貰えと迫ってきた。「何でそこ他人任せなんだよ。」と思ったけど、跡部に教わるとかいう流れになるのだけは絶対に避けたかったので、黙っておいた。 「よし、お前が選んで良いぞ。」 「えーと、忍足か日吉がいい。」 「じゃぁ日吉だ。」 いきなり自分に火の粉がふってきたと、日吉がほんとうにほんとうに嫌そうな顔をしている。(しつれいだ) 「なんで忍足さんじゃないんですか。」 「忍足は甘やかすから話になんねぇ。」 「俺は二年すよ。」 「一年の分野を教えてやれ。」 「うふふ。よろしくね、日吉」 「・・・・・・」 あたしが笑顔で言ったにも関わらず、日吉は何も答えてくれなかった。 うしろから跡部の「お前、追試パスしなかったら部活しばらく休ませんぞ」とやかましい声が飛んできて、小さくガッツポーズしたら「やっぱ部員全員分のマネージメントしろな。」と訂正された。見えないようにやったのに。 「日吉ーあたし追試パスできなかったら200人分のユニフォーム洗わなきゃ」 「さん、手が進んでませんよ。」 「今だって8人も大変なんだよ?」 「どこがわからないんですか?」 「もしパスできなかったらさー日吉も手伝ってねー」 机の上にシャーペンの先を押しつけてぐりぐりしてるあたしに、ここで日吉が本気でブチぎれた。 後日の追試にあたしは見事パスした。これも鬼のような形相だった日吉のお陰だ。 あたしの追試の結果に満足そうな顔をした跡部の「おい日吉、これからもの勉強はお前に任せる。」という言いつけに、日吉は心底嫌そうな顔をして「絶対に嫌です。」と無表情できっぱりと言い切っていた。 あたしも「日吉以外ならもう、誰でも良い。なんなら跡部でお願いします。」と真っ直ぐな瞳で言い切った。 跡部は日吉の無言の剣幕と、いつも跡部を避け気味のあたしの態度が珍しかったのか、「ああ、・・・そうか。」と戸惑い気味で答えた。 -------------------------------10.03.01 4年半ぶりの続編・・・。跡部と女の子はお互い見下しあっている。 |