「なぁなぁ、ルミちゃん行こうや、ルミちゃん」 「は?ルミちゃん?」 「ルミナリエや、ルミナリエ」 「あぁ、良いけど」 「・・・」←嬉しい 「・・・」←寒い 僕の気持ちとイルミネーション 片思い中の女の子をルミナリエに誘ってみたら、意外にもあっさりオッケーやった。 俺の好きなは、前から好きやとか付き合ってとかゆってるけど、「そのうちなー」とかはぐらかされてる。 はその昔、従兄弟の侑士と遠距離で付きおうてた。俺のショックを横目には「侑士やったら楽ちんそうやから」とのんびりしとったけど。 まぁ、どっちとも面倒くさがって連絡とりあわんと自然消滅みたいやけど。 何で侑士はいけて俺はあかんねん。 その疑問を胸に日々頭を悩ませている。(しかも結構一緒におるからな!嬉しいんかなんなんかわからん) 神戸の街はやたらと人が多い上に寒かった。 寒がりのくせに「着るのが面倒くさい」の理由で薄着のは、俺の横で首をマフラーに埋めて手を摺り合わせてる。 そんなに寒いねやったら、カイロでも持ってポケットにつっこんどけばええのに。アホやなぁ。 そんなアホなを可愛く思って、俺はの左手を寒くないように握った。は嫌がりもせんと「ん、」と言っただけやった。 「謙也の手あったかいな」 「やろ?」 「心冷たいねん。んで、うちは心温かいから手ぇ冷たいねん」 「ちゃうわ、心があったかすぎて手にまで溢れでとんねん」 ピカピカ光ってるゲートを抜けたら、色んな色の電球で飾られてるでっかいオブジェみたいなんがババーンとあって、思わず魅入ってもうた。 も隣でポカンと口をあけて見て、ノリで来たのにかなり感動しているみたいや。目がキラキラしとる。 360°に広がる光の世界で俺らは人混みの中やったけど、そんなん気にならんかった。 と2人でこれを見にこれたことが嬉しくて、侑士のこととかどうでもよくなった。 まぁ、は付き合いだした当初からすでにあんなんやし、今まで気にしてるのは俺だけやったような気もするけど。 「綺麗やなぁ・・・」 「あれやろ、俺らの愛の形やろ」 「いやいやいや・・・」 それから俺らはずっと手をつないだまましばらく色とりどりの光を眺めていた。 --------------------------------2005.12.23 こいつらしばらくしたら付き合います。 |