この襲いくる目眩と喉の痛みに思考を苛む熱・・・。

もしかして、昨日の少しダルそうだった跡部からのものじゃないかな。






                     もらいもの









とか思いながら、机の上に突っ伏していると教室に入ってきた跡部が意外にもケロリとしていて複雑だった。








「おい、何へばってんだよ」





いつもは心臓にドキドキくる跡部の声も、今日は頭にガンガンくる。







「風邪、かな・・・跡部は?昨日、ちょっと辛そうだったじゃん」


「いや、俺はなんともねぇが・・・なんでお前が」


「え〜、・・・跡部がチュッチュするからじゃん?」






あたしが俯せたままそう言うと、廊下の方から






「あ〜!ちゃんつぶれてるやん。昨日、跡部がチュッチュチュッチュしてたからやろ」





と忍足の声がした(お願いだからそんな大声で言わないでよ)









「保健室、行ってくるね」





痛い頭を押さえながらあたしは立ち上がった。
そしたら跡部はあたしの腕を優しくつかんだ。






「ついてってやるよ」


「えー、またうつっちゃテニスできなくなるからあんま近づかない方が良いよ?」



「バーカ」





跡部は言葉とは違う優しい仕草であたしを保健室まで連れてってくれた。

保険医の先生がいなかったので、ベッドにあたしを座らせて膝に布団までかけてくれた。(どうしよう、いつもよりずっと優しい)



跡部の冷たい手があたしの額に触れる。








「ちょっと、熱いな・・・」


「つらいか?」



「んー・・・」


「・・・」





火照る頭であまり良い返事をできないでいると、跡部はあたしに軽くふれるくらいのキスをした。







「うつるよ?」


「うつせよ」




「部活があるのに」というあたしに跡部は「お前のならもらってやるよ」と笑って、またキスをした。


----------------------------------06.10.26
年中チュッチュやってます。