蒼白な顔をしたは俺の顔を見るなり、廊下を走り去った。
いや、青い顔をしてんのは俺様の方だ。どっかのチビに試合に負けて、髪を失った上に(彼女)にも逃げられんのか?








ナイトメアにねがいこめ








「・・・どんまい」



後ろにいた忍足が慰めるように俺の肩に手を置いた。




「黙れ」




忍足の手を素早く振り払って俺はポケットから携帯をとりだす。
そして””の文字を探して電話をかけた。

たっぷり二十秒、コールを鳴らしておそるおそるというのが 手に取るようにわかるようにが電話にでた。






「・・・はい」


「お前なに人の顔みた途端に逃げてんだよ、ああ?」


「・・・」


「・・・」


「あんなの跡部じゃない」





がボソリと呟く。





「あれは間違いなく、俺だ。」


「じゃぁ、あたしの跡部じゃない」


「それは 別れてぇと言いたいんだな?」


「・・・とりあえず、髪が伸びるまで距離を置いてください。」


「無理だ。俺は今すぐにでもお前に会いてぇ」


「うえっ!?キャラまで変わったの!?」





今まで試合だなんだかんだで ずいぶんと会ってなかったのに逃げられてたまるか。




「いいか、お前絶対そこから動くなよ?」



それだけ言うと 俺はの返答を待たずに電話を切った。
の居そうな場所なんざ簡単に予想がつく。
お前に別れるとかそんな選択権はねぇんだよ。怯えた顔で立ちつくしてるであろうの様子を想像して、そう思う俺の足は軽かった。

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