やかとぅしぬくー














「あちさん」



ちょっと前に寒くなったと思ってたけど、またすぐに暑くなりよった。ちゅーはひな祭りと、わんの誕生日やさ。こんな日でも、えいしろーはテニス練習するとか言いだしよったけど、海も入れんのにやってられん。何よりもまだ、好きな子におめでとうって言ってもらってんし。



は隣の隣のクラスの女の子で、最近わんが可愛いと思って話かけて仲良くなった子やし。わんのことを「凜」と口うるさく呼ぶ、他の女とは違って「凜くん」と笑顔でわんの名前を呼ぶわけ。ぎゃーぎゃー騒いでる奴が多いうちの学校の中では、大人しいって程じゃあらんけど、女の子っぽくてしに可愛い。
















とりあえず、学校のの居そうな所、全部まわったけど全然おらん。あんだけ前から「わんの誕生日3月3日やさ」って言っといたのに。も「覚えとこうねー。」って笑ってたくせに。
こうなったら、の家に押しかけてでも「おめでとう」って言ってもらわんと、腹の虫がおさまらん。








「ありひゃ」



校門をでると、学校のすぐ前のバス停にが座ってた。見つけたばーよ。と思って、声をかけようとしたけど、止めた。の隣に、全然しらん男が座ってて、が楽しそうに話してたからやさ。
ぬう、せっかくわんが一生懸命探してたのに、にりー。



一気にテンションが下がって、二人の方を見んようにして通り過ぎる。もう国際にでも遊びに行くやさ。








「凜!」



突然聞こえたの声に足を止める。あふぁ、が俺の名前、呼び捨てにしよった。
さっきまでわじわじしてた俺は、いっきにのことが気になり始める。






「凜くん、部活終わった?」
「ん、さぼった」




「えー」と笑うに心臓がどきどきする。とっさの時はわんの名前、呼び捨てにするやし。呼び捨てにされんのも悪くないやさ。
「なー。あれ、たーだば?」とまだバス亭にいる男をさして、の顔を伺う。







「あー隣のクラスの子。名前なんだっけ。凜くん知ってる?」
、てーげー」
「だからねー。凜くん待ってたら話かけられたから」
「わんのこと待ってたばー?」
「うん、凜くんお誕生日でしょ?」






「おめでとう」




笑うが可愛すぎて、「しに好きやっさー」おもわず胸に抱きしめての髪をぐしゃぐしゃしたら、「も凜くんのこと好き」と照れた声があがった。

胸があばれたみたいになって、これがオバアが言ってた「ちむどんどんかー」と思ってにも言ったら、は「だからねー」と言って笑ってたやし。何度も言うけど、でーじ可愛い。





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凜くんおめでとう。
方言の壁。適当、ごめんなさい。