教室の後ろででかい音がしたもんだから、何かと思って振り向くと、後ろの入り口の所でがすごい形相で跡部をにらみつけていた。 「あ、とべ!!!」 そう叫んだの髪は目に見えてぼさぼさで、俺が朝に見かけた整えられた形と比べれば、明らかに乱れている。跡部もそんなの変化に気づいたのか、何があったのかと目を見張った。 「3組の、えーっと、名前なんだっけ?とりあえず、髪の長い変な女!あれ、あんた付き合ってたの!?なんか知らないけど、超髪の毛ひっぱってきたよ!!」 跡部の前に立ったは一気にまくし立てた。そこで俺たちは なるほど。とのこの状況にも納得した。つまり、跡部が以外の女子に気を出したのだ。 こういう事は跡部と付き合ってる女子にはつきものだ。 「なんで跡部のせいであたしがこんな目にあわないといけないのよー」 はもう半泣きで、跡部をとりまく女子は特に陰湿だからなぁ、と俺は同情を隠せなかった。跡部はの様子にああ、そういうことかと納得した顔をして、今回はどう片付けんだよと思ったけど、馬に蹴られるの嫌なので黙っておく。 「俺のせいにすんじゃねぇよ」 俺様すぎる態度に俺は耳を疑い、も一瞬、きょとんとした顔になった。まぁ、直接跡部に言えばどうにかなるんだろうと思ってきてるんだろうから当然だろうな。 「もういいよ!」と叫んできびすを返したをかわいそうだと思って眺めいたら、跡部がちょっと待てよといわんばかりにの腕を掴む。そしてを自分の方にひきよせて腕の中に納めた。いきなりの跡部の行動に、は怒ってるのも忘れたように顔をあげた。 「それだけ、良い男と付き合えてるってことだろ?」 口元を緩める表情は、普段の跡部からは絶対見れないもので はで不意を突かれて見とれちまってるし。 ああ、やっぱこいつら付き合ってんだなぁ。と感じさせられた。 どうでも良いけど、教室で何やってんだコイツら。こんなことしてるからがますます女子から反感買うんじゃねぇのかと。 ---------------------------07.12.10 宍戸君は思うわけで |