「うー あー」 「なんやねん、お前いつまでぼやいとんのや」 あたしが頭をかかえて唸っていると、前にいた謙也がうっとうしそうに顔をあげた。 あたし達は今、駅前のマクドに二人して座っていて、まわりから見ればちょっとしたカップルに見えないこともない。でも全然そんな関係じゃないから、うん、ともだちともだち。 まぁそんなことはどうでも良いのだ。今日、あたしはずーっと格好良い格好良いと思ってた隣の隣のクラスのテニス部の白石くんの試合をはじめて見学したのだ。目の前にいる謙也(幼なじみ)にたのんで場所と日時を教えてもらってうきうきで見に行ったのだ。 ところがどっこい 「エクスタシーて・・・」 「なんやそれくらいで」 「ツッコミ待ちやろ」 「つっこんだったらええやん」 音を立てながらジュースをすする謙也の慰め(かなんなのかわからない)言葉なんかあたしの頭の中を右から左へとスルーしていく。 あやしい笑みを浮かべて「エクスタシー」と言い放っている白石くんの姿にあたしはフェンスを握りしめながら愕然とした。今朝まで王子さま、王子さまと崇めてた人がなんか変な人に成り下がってしまったのだ。 このショックの半分をむりやり謙也の責任にして、現在に至る(もちろんここは彼のおごりだ) 「お前なー、外見しか見てないんやんけー」 「え。エクスタシーとか、まじどんびきじゃない?」 「ええか、ほんまに好きなんやったらそんなん関係なくなぁー」 「もー語りはええから、謙也だれか他の人、紹介してよ」 「(こいつほんま・・・!!)」 謙也の顔に浮かんだ青筋を見て、あたしはまた大きなため息をついた。 失恋だって笑い飛ばして、 どうせ泣いても明日は来るし
thanks!(エクスタシーとかいう白石もダイスキです) Mushderi:hina
企画「大阪ボーイズ」様に参加!(2007.05.28頃) |