俺が死んでも お前、なくなよ? 「泣くよ!バカじゃないの?!泣くにきまってんじゃん!なんで泣いちゃいけないのよ!ボロ泣きだし、ほんとわけわかんないこと言わないでよっバカ、死ね!このホクロ!!」 俺がそう言うと、隣にいるはそうわめいて俺を殴ってきた。 (しかもさり気に死ねって言いやがった。) は目に少し涙を浮かべながら、何こいつ信じらんねぇ。と小さく言った。 叩いていた手は力なく俺の腕の上に乗っていた。 何を思って俺が突然そんなこと言ったのか解らないという顔をしてる。 「すでに泣いてるじゃねぇか」 「泣いてないよ!」 「半泣きだぜ」 うるさいよ、とは涙がでてしまわないように腕で目を拭った。 「縁起の悪いこと言わないでよ!」 そう言って俺を軽く睨んだ。 があまりにも動揺したもんだから、可愛くなって少し苛めてみたくなった。 「じゃ、俺が死んだら泣いてどーすんだよ」 「ケーゴが死ぬなんて嫌だよ」 は即答した。 (こいつ、可愛いじゃねぇか)(さっき死ねって言いやがったけど) 「お前が先に死ぬのか?」 俺がそう言うと、はまた即答で 「死なないよ!どっちが先に死んでもお別れにはかわりないじゃん」 と、少し声のトーンを落として言った。 どっちも嫌だって、そんなの無理だろ。 「じゃぁ、どーすんだよ人間いつか死ぬんだぞ?」 俺がそう言って顔をのぞきこむと、は真っ直ぐ前をみて考え込んだ。 しばらく様子をみていると、俺の方に顔をパッとあげて目を輝かせて言った。 「わかった。死なない」 「は?」 予想外の答えに俺が間の抜けた声を返すと、はもう一度口を開いた。 「アタシ死なないことにした。だからケーゴも死なないでね」 俺が「そんなこと不可能に決まってるだろ」と言いかけたのを遮って、 は「はい!決定!約束、約束」と言いながら 無理矢理、俺の小指と自分の小指を絡めた。 --------------------------2005.10.09 「俺が死んでも お前、泣くなよ」お題です。配布源はココ |