しくしくするお腹を抱えて「痛い」と呟けば、その小さな音を聞き逃さずに侑士が「大丈夫か?」低い声であたしを心配してくれた。
「ちょっとこれ腹にあてとき」まるで小さな子供に語りかけるようにして、侑士はお湯を入れたペットボトルにタオルを巻いたのをあたしの布団の中に入れた。
暖かさがお腹にじんわりと伝わってきて、少し痛みが和らいだ気がした。
それと同時に、胸にいやな気持ちがかげってきたので、助けを求めるように彼を見た。


「ん?」
「侑士のこういうとこ・・・」
「おん、何?」
「女の子のことようわかってんなって、思う」
「俺、ねーちゃんおるもん」
「(そういうもんかなぁ)」
「疑ってるやろ」
「女の子慣れしてそう」
「アホかお前一人でも慣れへんのに。今もドキドキや」
「ぶはっ」




(痛み半分、やきもち半分。)


































--------------------












「めんどくさいな、女の人って」
「・・・(ほんとに嫌そう)」
「外にでられないし」


久しぶりに長太郎に会った今日、ずっと楽しみにしていた遊園地へ行く予定はあたしのこの腹部の痛みとともに流れてしまった。


「ごめんね」
「家にいるのにヤれないし」

イライラとした長太郎の口調があたしの痛みの上につきささる。
最近はお互いに忙しくて、本当に久しぶりに会ったのに。
悪いなぁという気持ちがこみ上げてくる。


「ごめんね」
「もういいよ、謝ってもどうにもならないんだろ」
「ごめんね、こんど行こうね」

もう一度謝って、長太郎に気づかれないように、布団の下に顔を隠してクスリと笑った。
むっつりと呟く君が、さっきからあたしの周りを落ち着かなくウロウロしている珍しい姿をみられただけで十分なのです。






(心配だけどどうしていいか解らない男)




































--------------------






、いたい?」
「ちょっとね」
、大丈夫?」
「うん、だいじょぶ」
「いたい?どれくらい痛いの?」
「うーんと、滋郎ちゃんにはわかんないからなぁ」
「そんなに痛いんだ!」
「えっとね、ちょっと待ってね、(考えるから)」
が死んだらどうしようー!」




「じろうちゃん、ちょっとしずかに」
「俺生きていけない!!」
「・・・(ひびく)」


(君のあいで痛みが増します)




































--------------------





「あのさ、宍戸。かばんから薬取ってくんない?」
「どれだよ?」
「ポーチに入ってるやつ」
「自分で取れっつーの」
「お腹痛いから動きたくない」
「どの薬?」
「ピンクのやつ」
「これか。ほら」
「ありがとー」
「腹でもこわしてんのか?だせぇな」
「生理痛だよ」
「・・・水、入れてきてやるよ。座っとけ」
「(真っ赤?)」





(とまどいと心配)





































--------------------








「うーん、うーん」
「唸るな」
「いたいよ、跡部」
「だから、これ飲めって言ってるだろ。俺様がわざわざ帰ってきてやったんだぞ」
「苦い?」
「錠剤だ。味なんてねぇよ」
「んーお腹きもちわるい」
「だから、薬を飲、め!」
「跡部たすけてー」
「・・・・お前あんまり辛くないだろ」
「ねー・・・」
「いいか、一回しかしねぇぞ」
「うん、」
「・・・・」








いたいのいたいのとんでいけ








戻る