「ぬぅ」
「あ?」
「足がね、ベチョベチョできもちわるい」
「雨ふってんのに突っ立てるからだろ」
「跡部が遅れてくるからだよ」
「普通、店の中で待つだろ。バカか」
「だって、だって」
「そんなに俺が待ちきれなかったか?」
「はーぁ?」
「しょうがねぇな」
「ちょっと、跡部ハンカチよごれるよ?」
「気持ちわりぃんだろ?」



「・・・・・・いいね、跡部様に足を拭いて貰うあたし」












































「もしもし?そっち雨やろ?」
「うん、湿気むんむん」
「お前湿気よわいもんなぁ」
「うん、腐ってる」
「雨ぐらいで弱ってたらあかんで」
「んー東京は?」
「降ってない」
「そっか。雨いやや。気分落ち込むねんもん」
「そんなんゆうたって天気のもんやしなぁ」




「でも、一番は侑士がそばにいないからですよ」



鼻の奥に少し痛い刺激がはしって、涙声になるまえに携帯の電源をおとした。


「可愛いこと言うやん」

(そう言う前に機械音が耳に届く。)



































「宍戸、もうちょっとそっち寄ってよ」
「俺だって肩びしょびしょだっつの」
「あたしの方が濡れちゃだめでしょ」
「はぁ?」
「女の子なのに」
「男女平等だろ」
「あ、今こっち寄ったでしょ!せまー」
「寄ってねぇよ。俺の傘だっつの」
「そんなこと言うのー!?」
「うるせー」



(ひとつの傘に入ってるかぎり仲良し)






































「わー!ちゃんの傘可愛いね☆」
「これが?お父さんから借りたやつなんですけど」


あたしはめんどくさくなって黒色の冴えない傘を開きながら千石に言った。



ちゃーん、俺傘わすれたんだけどー」
「や、だよ。誰か傘二本持ってないの?」
ちゃんの傘がいい」
「やだ」
「なんで?俺傷つくよー」
「あたしまで千石にたかってるみたいだもん」
「いいじゃん☆ラブラブ」
「ヤ!だよ。」
「じゃぁ俺びしょびしょなって帰るねー」
「もう!早くはいれば」
「やったー!やっぱ俺ってラッキー☆」
「ラッキーって言うより、自分でつかみ取ってるよ」



(ラッキーもちゃんもね☆)









































、じっとしとき」
「ん、」
「いきなり降ってきよった」
「びっしょびしょなったー」
「痛くないき?」
「うん、タオルだけで乾くかな?」
「風邪ひいたら困る。ドライヤーもないしの」
「部室だもんね。」
マスカラ落ちとる・・・」
「え!ほんと? さいあく!」
「パンダみたいじゃ」
「ほんとさいていーーにおうこっち見ないで!」
、知っとった?」
「ん?」
「俺が、のこと好きってこと」
「え?そうなの?」
「だから俺、今さいこうじゃ。は最低でも」


(なにその笑顔!)






雨の日は