跡部の声がありえないほどに不機嫌そうだ。

(あれ?あたしなんかやったっけ?やってないよね?あれ?心当たりがありすぎてわかんねぇやちくしょう)(あ、涙でてきた)





世界で一番こわいのは









「おい」

「・・・はい」

返事をかえしたあたしの声はもうすでにふるえている。
いや、まずなんであたしがこんなにおびえなきゃなんないのか意味不明だから。(半強
制的に)付き合っているはずなのに、どうしてこんなにプレッシャーがかかってるんだ。






「今日は放課後すぐ氷帝に来いよ、いいな」





跡部は不遜な態度であたしに言いはなって、さっさと電話をきってしまった。
ゎぁ、命令だったよね、さっき今日は放課後に補習があるからって伝えたとこなのになっ!なんかもう彼氏っていうか、同じ人間とも思えないやっ☆












どうしてこんな事になったのですか・・・。



あたしははやまる動機をおさえながら思った。補習をさぼって氷帝学園にむかうバスの中にいるあたしの隣には不二が笑顔で座っている。信じられない事態にあたしの口は半開きだ。だけどそんなことは気にせずに不二は話す。





「僕も氷帝に行くんだ。偵察にね。だから一緒に行こうと思って」




ちょっと待て。なんであたしが氷帝に行くって知ってんだ。




「いや・・・あたし家にかえ・・・」

「氷帝に行くんでしょ?跡部に会いに」

「・・・!」




あああああ。本当にばれてる。越前かな?越前がばらしたのかな?
どうしようどうしよう。
最悪だ。って、不二すごいうれしそう。すごいうれしそうな顔してる・・・!





「あ、何その顔☆ばれてないとでも思ってたの?君が跡部と付き合ってることぐらい知ってるよ。跡部に氷帝の制服ならまだましも、イメクラまがいな服を強要されてるってことも・・・ね?」




え、えええええええええええ越前じゃない・・・!!!!!
っていうか、なんでそんなこと知ってるの?
目の前では、不二がこれまでにないくらい楽しそうな顔をしている。
恥ずかしい気持ちでいっぱいだ!(いやでもあれは迫りくる跡部に逆らえなかった)


どうしよう。これから・・・。あたしこんな奴にからかわれつづけて・・・嫌だ・・・。







その後、バスの中では不二が全然関係ない世間話をしていたけど、それが逆に怖くてあたしはずっとドキドキしながら黙り込んでいました。







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